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インテリアと色彩計画  前編:インテリアスタイルを知って理想の住まいをつくる

インテリアと色の関係

住まいの12ヵ月では、
季節に合わせた片付けやインテリア等、住まいについてのヒントを月毎にご紹介します。

 

こんにちは。
守田整理収納建築研究所です。
今月は、「インテリアと色彩の計画」について。
非常に広範囲で複雑なテーマですが、前編と後編に分けてお伝えします。

新築やリノベーションなどの家づくりでは、壁紙や床材、扉をはじめとする建材、カーテンに家具、キッチンや浴室などの設備と決めなければいけない事がたくさんあり・・・
おしゃれな家にしたいけれど「結局どれがいいか分からず、無難なものを選んでしまった」、商品がたくさんありすぎて「どれを選んだらいいかわからない」、工期が迫るにつれて「迷いすぎてまとまらない、もう選ぶのが面倒」と、楽しみだったはずの家づくりが、いつしか疲れてしまっては、特別なイベントなのにとても残念です。そこで、新築やリノベーションの前に、「インテリアと色」について計画やイメージをしておくことが、大切なポイントとなってきます。

 

1. インテリアのスタイルを決める

インテリアスタイルとは、時代、国、地域、文化的な背景を基に発展したインテリアのスタイルで、インテリアのイメージを表わします。スタイル=軸が決まることで、ぐっと建材や家具が選びやすくなります。しかし、様々なスタイルがあり、どれが最適なのか迷ってしまいますよね。お好みのテイストを好きなお店のインテリアや憧れのインテリアを基に、選んでみてくださいね。

ナチュラル:自然な要素や素材を取り入れ、心地よさと温かみを感じる空間を作り上げる

ナチュラルスタイル

 

年代を問わず、やさしい雰囲気でリラックスできる空間が特徴です。木の質感や石の質感を活かした色合いや、自然素材の持つ温かみのあるクリーム、ベージュ色等の色調が使われます。また、麻などの自然素材の質感や風合いのカーテンやクックッションカバー、ラグ等も取り入れます。

 

カントリー:田園風景や田舎暮らしの雰囲気を再現し、自然と共に暮らす心地よさ

木材を主な素材として使用し、木製の家具や床、天井の梁などが特徴です。また、アクセントとして、自然素材の石やレンガ、わらなども用います。色調は、自然な色合いのベージュ、クリーム、ブラウン等、チェック柄やストライプ柄、花柄などのパターンも使われます。小物として、食器棚や棚に飾られたカントリーディッシュ、ガラス瓶に入ったドライフラワー、かご等、田園風景や暖かさを感じさせる要素を取り入れます。

 

モダン:現代的なデザインとシンプルな要素を組み合わせたインテリア

 

直線的な形状、すっきりとしたデザイン、機能性、そしてミニマリズムが特徴です。木材、石材、天然皮革、ガラス、金属等の素材を用います。色調は、白、グレー、ベージュなどの明るい色、濃いブラウンやモノトーン。無駄なものを排除し、必要不可欠な家具や小物だけを使うため、整理収納でスッキリと部屋が整っていることも重要な要素です。

 

クラシック:ヨーロッパの歴史的な要素や伝統的なものを取り入れたエレガントで格式高いインテリア

宮殿のインテリアをイメージしていることが多く、華やかな雰囲気が特徴です。テーブルや椅子はダークブラウンの重厚感のあるもの、大理石のカウンタートップ等の豊かな質感とテクスチャーを用います。ダークカラーを基調に、ゴールド、ネイビー、ワインレッド等の色をアクセントとして取り入れます。古典的な絵画、鏡、時計、陶磁器、彫刻品など、上品で繊細なアクセントも加えます。

 

ヴィンテージ:過去の時代やアンティークの要素を取り入れ、どこか懐かしさを感じる

 

新しい物には出せない趣がある個性的なスタイル。レンガ、コンクリート、アイアン、エイジングが施されたフローリング等を用います。落ち着いたブラウン、ブラック、年代やテイストによっては、マスタード、ミントグリーン等も使われます。古い時計、ミーラー、ランプ、レトロなアートや古い写真をディスプレイすることによって、空間に個性的な要素を加えます。

 

インダストリアル:工業的な要素や工場の雰囲気を取り入れたスタイル

工業用建物や倉庫、工場などの空間を無骨な素材と質感で作ります。アルミニウムなどの金属素材や、コンクリート、レンガ、ユーズド感のある木材、レザー等がよく使われ、天井や壁の配管や梁を見せることで、工業的な魅力や無骨さを演出します。グレー、黒、白、ブラウンなどの色調を用いて、無機質でシンプルな印象を作ります。また、古い工業用ランプや時計、工具箱、レトロな看板、樽などの小物を取り入れます。

 

ジャパニーズモダン:日本人が昔から慣れ親しんだ床座や和室での生活を現代の暮らしに採り入れたスタイル

木材、竹、和紙、麻などの天然素材が使われ、自然の美しさや温かみを感じることができます。茶色、ベージュ、グレー、緑などの自然色が主流で、調和とバランスを重視します。シンプルなデザインの障子、琉球畳、ソファなど高さを抑えたモダンな家具をレイアウトし、和洋折衷を楽しんだり、純和風に合わせたりします。

 

北欧:スカンジナビア諸国のデザイン哲学や美学に基づいたスタイル

北欧スタイル

 

シンプルで明るい雰囲気、機能性と美しさの組み合わせが、日本の住宅にも合わせやすいのが特徴です。特に木材がよく使われ、明るい色合いのオークやブナなどが一般的です。また、ウール、リネンなどの天然素材も頻繁に使用されます。白や、グレークリームなどの明るいベースカラーに、木材の自然な色やアクセントとしてのパステルカラーやモノトーンの色合いが取り入れられています。カーテン、ラグ、クッションカバーなどに、葉や花の模様、幾何学的なデザイン等が施され、アクセントとして部屋に活気や個性を加えます。また、ミニマリズムと機能性が重視され、シンプルで清潔なデザイン、無駄のない配置、実用性と美しさのバランスを追求します。家具やアクセサリーはシンプルな形状や直線のようなデザインが多く、機能的な要素が取り入れられます。

 

アメリカン:ブルックリン・西海岸スタイルが人気

多様な要素や影響を受けながらも、アメリカ独自のデザインや雰囲気が特徴となっています。

アメリカンスタイル

●ブルックリンスタイル
工業的な要素やレトロなデザインスタイル。 古い工場や倉庫を再利用した空間をイメージし、レトロな家具、アンティーク品を取り入れることが一般的です。コンクリート、タイル、鉄や木、レンガのような素材が使われ、荒々しさやクールさを演出します。

●西海岸スタイル
太平洋の美しい景色やリラックスしたライフスタイルから影響を受けており、明るく開放的な空間、自然素材の使用、リラックスした雰囲気、そして居心地の良さが特徴のスタイル。自然の光を最大限に取り込み、屋内と屋外の境界が解消されるようなデザインやアウトドアスペースの活用も特徴です。白や淡い色の壁や床、海や自然からインスピレーションを受けることが多いため、海をイメージさせるブルーやグリーンのアクセントカラー、ビーチや海岸の要素を取り入れたアートやデコレーションが用いられます。

 

フレンチ:シンプルでありながら上品さや洗練された雰囲気

シャビー感を感じさせる家具を取り入れ、ベージュ、クリーム、などの柔らかい色調を用います。絹やベルベット、リネン、シルクなどの布地や、彫刻された木材、ゴールドやシルバーの装飾も使われます。

 

アジアン:代表されるのは洗練されたアジアンリゾートのようなオリエンタルなスタイル

中国、東南アジアなど、さまざまな地域の特徴的なスタイルが存在します。
チークやマホガニー、竹、ラタン、麻といったなどの天然素材が好まれ、自然の風景や植物を取り入れたパターンや絵画が用いられます。東南アジアのトロピカルな色彩など鮮やかな色彩の他、ネイビーブルー、深い赤、自然の茶色やグリーン、柔らかいクリーム色など。手工芸品や伝統的な工芸品もアクセントとして取り入られます。

 
お家時間を充実させ、さらに豊かに暮らすために・・・
この夏、休暇を利用して、インテリアショップ巡りはいかがですか。
お子さんと一緒に子ども部屋作りもお勧めです。
お好みに合ったスタイルを選んで、心地よい空間を作りましょう。
ご参考ブログ:なぜ暮らしにインテリアが必要なのか

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